日本|IoT資産トラッキングと電源状態可視化による災害対応ソリューション
導入のポイント
- 大規模災害による停電時に、周辺の給電拠点を可視化。
- 医療機器を必要とする人々が、より迅速に電力支援を受けられる体制を構築。
- 企業が保有する電動機器を活用し、地域全体の防災レジリエンスを強化。

本事例は、災害により社会インフラ(電力系統)が停止した際に、地域内で緊急電力をどのように確保するかという課題に向き合った取り組みです。日本・宮城県を中心に、物流事業者やソリューション提供企業が連携し、企業が災害時に「給電拠点」として機能できる仕組みづくりを進めてきました。特に、障害者支援施設や在宅で医療機器を使用する重度障害者など、停電が生命に直結するケースにおいて、迅速に電力情報へアクセスできる環境整備が求められていました。
目的
本プロジェクトの目的は、災害による停電発生時においても、地域内の可用な電力資源を迅速に把握・共有できる仕組みを確立することです。フォークリフト用バッテリーや二次利用されたゴルフカート用バッテリーなど、企業が日常業務で使用している電源を災害時に活用し、「どこに、どの程度の電力があるのか」を平時から把握できる状態を目指しました。
課題
大規模災害が発生すると、電力インフラは真っ先に停止する可能性があります。特に医療機器に依存する重度障害者にとって、停電は短時間で生命の危機につながる深刻な課題です。
従来の非常用電源では、災害時に「どこに利用可能な電源があるのか」を即座に把握することが難しく、迅速な電力供給や支援判断を妨げる要因となっていました。
SYSTECHのソリューション
SYSTECH は UW1 を活用し、災害発生時にも即座に機能する電力の可視化および調整体制の基盤構築を支援しました。
UW1 は、大容量バッテリーを搭載した電動フォークリフトや、二次利用されたゴルフカート用バッテリーといった備援電源に設置され、企業内に分散して存在していた電力資源を「電源ドナー(Power Donor)」として一元的に管理・共有可能な形へと転換します。
UW1 による位置情報および電源状態の取得により、システムは平時から電力状況を継続的に把握し、災害発生時には給電可能な拠点の位置情報を地図上に表示することが可能となりました。これにより、災害時の電力確保は臨時の確認作業や人手による連絡に依存せず、迅速な判断と行動につながります。
成果
本取り組みにより、宮城県内では複数の倉庫・運輸企業が給電拠点として「電源ドナー」に参加し、災害時に電力を必要とする人々が平時から給電拠点情報を確認できる環境づくりが進みました。
また、パートナー企業の BMSC(Battery Management System Cloud)ソリューションは「電源ドナー」へと発展し、宮城県仙台市の防災関連ページへの掲載、東北地方の新聞掲載やテレビ紹介などを通じて社会的にも注目されました。さらに、宮城県内の障害者施設3施設への導入が進んでいます。
加えて、東京都・宮城県の倉庫運輸会社3社および株式会社イーコース等の関係者により、社団法人 電源ドナー協会 が設立され、日本のフォークリフトバッテリーメーカー大手や日本ALS協会も参画するなど、防災・減災分野における地域連携モデルとしての広がりを見せています。